この襟部分の作業をするために
付け根部分の金具もすべて取り外す必要があり
こんな感じで仕上げました
そしてこの付け根部分
予想通りこの襟の取り付け作業が一番大変でしたが
なんとかうまく形にできて良かったです
内側の縫い目はガタガタですが
これがひねりての限界でした・・・
あと、わかりにくいかもしれませんが
襟付け根の裏地部分、
分解したタイミングで生地の傷みをすすめない程度に
中性洗剤で洗ってみました
スッキリ綺麗にとはいかなかったですが
元より半分くらい黒ずみが薄くなってると思うんです
ひねりての見解ですけどね・・・
あとは、ポケットのほころび部分もこんな感じ
劣化した革の状態を悪化させないように縫い直すのは
結構神経使いましたが
これも問題なく仕上げられて良かったです
オーナー様はタピールの愛用者で
ご自身でもメンテナンスされていらっしゃいましたが
この機会にひねりてでのメンテナンスもご依頼いただいたので
しっかり念入りにお手入れさせていただきました
まず、クリーナーで汚れだけでなく
縫い目に入り込んだ古いワックスなども落としておいて
タピールレーダーオイルで乾いた繊維にたっぷり栄養を与えました。
そしてその後に使ったのがこちらのレーダーフェット
アウトドアでガシガシ使いたい革ジャンで
今回のように劣化が進んだ革には
このレーダーフェットが向いています
動物性の油脂が入っているので
体温で溶けるくらい融点が低いのが特徴ですが
今回はこれを手指でやさしくしっかり隅々まで塗り込み
体温で革に馴染ませました
仕上げに
劣化しやすい袖、襟、裾周りに
レーダーフレーゲクリーム無色を塗りこんで
表面を保護してあります