今日は1か月ほど前の記事に
チラ見せしておりました商品の修理をご紹介しますね
はい、ハンティングワールドのショルダーバックです
グレーがかったモスグリーンの革とゴールドのエンブレムの組み合わせで
個性的に上品に仕上がってるお洒落な一品だと思います
修理個所は以前もお伝えしましたがこちら
何年物とおっしゃってたでしょうか・・・
ちょっと忘れてしまいましたが、
けっこうな月日を経て
中の紙状の芯が、からっからに乾いてしまっており
このベルトもストラップベルトも無造作に折り曲げようものなら
すかさずポキッ
と折れんばかりの見事な乾きっぷりでした
ご依頼はこのカブセについているベルトの部分だけでしたが、
ストラップが今後のお取り扱い方によっては
いつ不具合が起きるかわからない状態であるということを
ご理解いただいたうえで修理させていただきました
では作業始めます
ちょっと分解してみてみたら、こんな感じになってました
エンブレムが四つの爪できっちりと留められております
ということはこの程度の分解ではどうにもなりませんので・・・
しっかりあけて爪をおこしました
ひねりての経験上の話ですが
仕立ての良い年代物の商品って、分解するのに手間取ることが多いです
そしてこれも例外ではありませんでした
縫製の良い商品は糸調子のバランスもよく
革に糸がしっかりと食いついているため
劣化した糸を引き抜こうとするとすぐ切れてしまいます
なので、最終的には地道に一目一目糸を抜いて行く
という作業になりがちでなのです
こういう爪付パーツを再使用する際も要注意で
右下の写真の爪の中央に白い線が入っているのお分かりでしょうか?
ここが折り曲げていた跡ですが、
金属は折ったりおこしたりと繰り返すうちに金属疲労をおこして
この線からポキッと折れてしまうことがあります
そうなると再使用できなくなってしまう可能性があるため
今回はそのリスクを事前にお客様に説明し
場合によっては接着剤で何とか動かない程度に止めて
仕上げることになる可能性があるということもご了承のうえで
受付させていただきました
何度やってもこういう作業をするときは、とっても緊張します
今回は幸いうまいこといきまして
こんな感じに仕上がりました
最初は見た目を変えないためにも、ベルトの表側は元の革を使って
中の芯を新しくする予定だったのですが、
分解してみると予想以上に乾燥が進んでいたため
より丈夫に長くご使用いただくには、すべて新しくしたほうが良いということになり
ひねりてにある羊革の中からお客様に選んでいただき
革ベルトを新しく作り直しました
カブセの分解部分も元通りに縫い直してます。
糸色はけっこう近いものがあったので
継ぎ目もほとんどわからない感じに出来ました
かぶせ表 かぶせ裏
で、こんな感じです
いかがでしょう?
ハンティングワールドショルダー
かぶせベルト部品交換
分解あり
劣化による取扱い難度高(割増料金あり) 16000+税円
お預かり期間 2週間
それにしてもこちらの鞄
デザインは凝ってるし
色といいその構造といい、とても個性的で素敵でした
これからも長~くご愛用いただけることを願っております
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