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広島近郊の方には、お店の詳細を知っていただくために
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ご来店ください。

・ブログ内で、過去に修理した作業内容や価格
納期などをご紹介しておりますが
同じ修理内容でも対象商品の状態や仕上げ方などによって
価格や納期は変わります。
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参考にしていただくために公開しておりますので
予めご了承ください。

・2014年4月より前の記事では
その当時の消費税率5%で価格表示してありますが
実際にはご来店時点での消費税率で
対応させていただくこととなります。

・当店は予約制ではありませんので
営業時間内のご都合の良い時に、修理したい商品と
どんな修理にしたいかという構想を持って
ご来店ください。

場合によってはお客様が集ってしまうこともありますが

その際は、携帯電話をお持ちの方には
店外で他の用事などをしてお待ちいただき
受付の順番になったら、ご連絡させて頂いております。

2025年03月22日
プラダ書類鞄を機能的にアレンジ
こんにちは
本日ご紹介の商品です

プラダの書類鞄
黒色で見た目が表も裏も同様の
とてもシンプルなデザインの鞄です

そして
マチがしっかりあるので荷物がたっぷり入る
使い勝手の良さそうな一品です

以前ファスナー交換をさせていただいており
まだまだ元気に活躍してくれそうなのですが・・・
オーナー様曰く、なかなか出番がないのだそうです

その理由が
出張などで移動することが多く
その際にはキャリーケースの持ち手に固定できる
セットアップポケットがついている鞄が使いやすいため
そちらばかりを使ってしまうからなのだそうです



それならばこの鞄にもセットアップポケットをつけてしまえないか?

ついでにこの深い皺も
隠してしまえないかな


とのご相談をいただき

対応させていただくこととなりました

では仕上がりです

いかがでしょう?
運よくオリジナルの革と近い型押し革の在庫があり
かなり馴染む仕上がりに出来たかと思います

皺の部分もしっかり隠してあります

実は皺のある方が表側だったのですが
幸い表も裏も同様のデザインで見た目にわからないため

特に違和感なく仕上がりました

ここにキャリーバックのハンドルを通せば

重い鞄も楽に持ち運べます

片側すべて分解して作業をしました





プラダ書類鞄に
セットアップポケット作成アレンジ 30800円(税込価格)
作業期間 1ヵ月
*今回は年末年始を挟み2か月お待ちいただきました。
こちらの鞄はそもそも職場の先輩が使われていたもので
それを譲り受けられたのだそうですが
その頂きものを

前回のファスナー交換と合わせて2回も手を加えながら
大切に使用していこうとされるお姿が
素敵だなと思いました

2025年03月15日
ムートンジャケットの破れ修理
こんにちは
本日ご紹介の商品です


こげ茶色のムートンジャケット
ざっくりと大きめですが
持ち込まれたのは華奢で細身の女性の方
その方がゆったり羽織ると可愛いだろうなぁ
と思える一品です


そしてご依頼場所はこちら

裾についているベルトが
土台の皮ごと破れて取れてしまっています



反対の破れてないほうはこんな感じ
オーナー様曰く
気づいたらこの状態だったということで

おそらくどこかで引掛けてしまったんだと思うとのこと

古着で購入してあまり経ってないうちに
こうなってしまいショックを受けておられ

このままでは着られないので
なるべく費用を抑えて修理をしてほしいとのご要望でした

ただ、素材がムートンということで出来る作業は限られるため

残念ながらあまり費用を抑えることはできませんでしたが

表から新しい革でカバーして修理させていただくことにしました

まずは破れた革からベルトを取り外し
この穴あき部分に戻してナイロンシートを接着します
その上からオーナー様に選んでいただいた
こげ茶色のラム革を貼って

縫い留めた後
ベルトを元の位置に縫い留めました

色合いは違いますが
これはこれでありな感じに仕上がりました

裏はこんな感じ
埋め込んだムートンが
ムートンであるがゆえにうまく馴染んで

継ぎ目は分かりませんよね



こちらのジャケットは
全体的に経年劣化をしている様子で

肩のあたりに亀裂が入ってきているなど
他にも弱っている個所が数か所あるような状態でしたので

今後の劣化進行のバランスを考えた上で
今回の修理場所には必要以上に手を加えず
なるべく費用を抑えるように努めました




ムートンジャケット
破れ部革あて補強1か所 5500円(税込価格)
作業期間 1週間
*今回は1か月お待ちいただきました
オーナー様には
一目で気に入っていただけたようで
良かったです

どうぞ一日でも長くご愛用いただけますように・・・

2025年03月08日
トートバックの内張部分補強&メンテナンス
こんにちは
本日ご紹介の商品はこちらです



表はすべてヌメ革で仕立て上げられた
大きめのトートバック
経年による変化でよりオーナー様色になっていて
味わい深い逸品です


内張に4か所穴が開いてしまっています

ということでこの穴あき周辺の生地をを革に交換し

全体に乾燥も進んでいたため
ミガキもさせていただくことになりました

まずは仕上がりをご覧ください
こちらが


こうなりました

分解してみると

穴が開いていたところには
持ち手の付け根が取り付けられていることで
革が複数重なっており
その部分が内張と擦れて穴が開いてしまっているのだろう

ということが分かりました

内張の穴あき部分は革になるため
簡単に穴が開くことはありませんが

念のため内張を傷つけそうな部分に
不織布でカバーをしておきました

革はオーナー様に選んでいただいた
ラセッテレザーという
人と自然と環境に配慮された

ベジタブルタンニン鞣しの豚革です

色合いが近いという理由で選ばれたものですが
表がヌメ革ということもあり
全体の自然な雰囲気にぴったりな選択だったのではないかと
思います



仕上げにレーダーオイル
レーダーフェット
レーダフレーゲクリームを適量
時間をおいて馴染ませながら
しっかり丁寧に塗り込んで磨き上げました

作業前は全体に白んでいましたが
色が濃く蘇っているのが分かりますでしょうか?



ヌメ革トートバック
内張一部を革に交換X2
ミガキ 16500円(税込価格)
作業期間 1ヵ月
こちらの鞄
お母様からの誕生日プレゼントで

出来るだけオリジナルのイメージを壊さず
今後も長く愛用していきたいとのご相談でしたが
これでまた長くお付き合いいただけると思います

2025年02月08日
エルメスの大きすぎるガーメントを使いやすくアレンジ
こんにちは
今週の寒波は身にしみますねぇ





広島市内は予想していたほど雪は降らず
日常生活には支障なく過ごさせてもらっていますが
県北、山陰、日本海側などはとても大変そうで心配です

どうか災害起こすことなく早く立ち去ってくれますように・・・

本日ご紹介の商品です


エルメスのガーメント
(知らないことの多いひねりては
この呼び方をオーナー様に教えていただきました
)

スーツを入れて運ぶための鞄です

作業前の広げた状態の写真はないのですが
そもそもはこの状態で運ぶようになっているものでした


が、それなりに身長のあるオーナー様でも
これは大きすぎて持ちにくいため

こんな風に更に折りたたんだ状態で持ち運べるように

ベルトとホックを取り付けてほしいとのご依頼でした
ということで
選んでいただいた革とホックを使って
こんな感じに仕上げてみました

では仕上がりです

一枚革のオイルレザーを使って
ベルトを作成し
ジャンパーホックで留められるようにしました

不可のかかるベルト付け根の土台は
裏から生成り色の革を縫い留めて補強してあります



折りたたんでいないときにも
ベルトがブラブラ邪魔にならないように
ホックで固定できるようにしてあります


いかがでしょう?
これで広げたときの3分の一くらいのサイズに出来て
かなり持ち運びやすくなったと思います

ベルト+ジャンパーホック(メス1,オス2セット)
2か所作成取り付け 12760円(税込価格)
作業期間(打ち合わせ含む) 約2週間
*今回は年末年始を挟み1か月半お待ちいただきました
こちらのオーナー様
市民オペラの団員さんで

今度のオペラに出演する際にこのガーメントを使うのだと
嬉しそうにお持ち帰りいただけました

2月23日に行われるそうですので
興味のある方はこちらをご覧いただき
良かったら鑑賞されてみてください

オペラ
楽しく良いひと時となりますように・・・

2025年02月01日
ショルダーバックの穴あき部分を修理
こんにちは
今日の広島は久々の雨模様

そして来週は寒波予報が出ております

まだまだ寒い日が続きそうですね

そんなお天気もひねりてにとっては
こもって作業をするのにうってつけ

ということで本日ご紹介の商品はこちらです
年季のはいった羊革のショルダーバック

ここに穴が開いてます

反対側にも

ここに穴が

どちらも折り重なっているところが擦れて
穴が開いている状態です

サイズ的にも、重量的にも使いやすいようで

オーナー様のお気に入りの逸品

修理して出来るだけ長く使っていきたいとのご要望でした

今回の修理で一番のネックはこの内張の構造


合わせと呼ばれるもので
よくある袋状にはなっておらず
1か所分解するだけでは作業が出来ない構造でした

なので今回は2か所分解して、各穴をふさぐ修理をしてあります

では仕上がりをご覧ください

大きい穴の方は
オーナー様に選んでいただいた革を
表からあてて縫い留めてあります
内側にも土台補強のために
不織布を張り付けたうえで縫い留めてあります



小さい穴の方は
裏から補強テープをボンドで貼り付けて塞ぎました

表 裏
実はこちらの鞄
補強と触感のためなのだと思いますが
革と内張の間に綿状のシートが取り付けてあったため

内張を開けただけでは作業が出来ず

仕方なくそのシートに穴をあけて作業をした後
不織布で穴をふさぐというひと手間が加わり
予想以上に時間がかかりましたぁ


ショルダーバック
穴あき部分修理2か所
分解2か所
綿シート穴あけ処置2か所 7700円(税込価格)
作業期間 約1週間
*今回は1ヵ月お待ちいただきました
このように分解してみて初めて
受付時には予想できなかったことに気づくことは



よくあることで

いつもドキドキヒヤヒヤさせられております

このお仕事
スリル好きな方にはお奨めかもしれません



2025年01月18日
グッチ2Wayバッグの内張交換
こんにちは
早速ですが、本日ご紹介の商品です


グッチの2Wayバッグ
手提げでもショルダーでも持てるタイプで
グッチならではのバンブー持ち手付です

そしてご依頼場所はこちら


合皮がポロポロになっていて
剥がれた合皮が
革にもついてしまってますね~

今回のオーナ様は
これを修理して娘に譲りたいとのご要望でしたので
内張交換と全体の磨きをさせていただきました

それではさっそく仕上がりをご覧ください

内張にはコーラルピンクの豚スエードを

内ポケットにはベージュの生地を使用しました

ファスナーも新しくしてありますが
引手だけグッチマーク付きの物を移動させてあります

before after

表からは見えませんが

本体胴裏部分にはスポンジが貼られていた形跡があったため
(もう経年劣化で朽ち果てていて

粉状のものが底にたまっていました
)

3ミリのスポンジシートを全体に貼って柔らかさを出し
オリジナルの仕立てに近づけてあります

最後にかなり乾燥が進んでいたので
レーダーオイル2回
レーダーフェット1回手塗り
レーダーフレーゲ1回
塗りこんで、栄養をたっぷり与えつつ
表面を保護して
しっとりもっちりつるつるに仕上げておきました




グッチ2wayバッグ
内張交換(ファスナー付き内ポケットあり)
スポンジ交換
ミガキ 34100円(税込価格)
作業期間 1ヵ月
*今回は2か月ほどお待ちいただきました
引き取りに来られたオーナー様
まずは自分で使ってから
譲りますとのことでした

この子も

親子2代に渡って愛用してもらえるなんて
鞄冥利に尽きるでしょうねぇ





2024年12月21日
修理で取り外した内張をトートバックにアレンジ
こんにちは
本日はちょっと変わったアレンジをご紹介します

まずはこちらをご覧ください
何だか分かりますでしょうか?
以前巾着バッグの大掛かりな修理をさせていただいた時に
取り外した内張です
その修理の詳細については以下をご覧ください

で、オーナー様
このまだまだ使えそうな内張をなんとか活かせないものか?

とお考えになり
今回、トートバックへのアレンジをご依頼されたという次第です

では仕上がりをご覧ください



いかがでしょう?
元々内張だった面を表にひっくり返して
持ち手と天口周りのパーツを作成して取り付けました

なるべく最低限の費用でアレンジするために



革は切りっぱなしで仕上げ
手数を減らすように努めています

元は黒色の豚スエードを使っていますが

今回作成したパーツはその黒色豚革の
スムース面を表にしてコントラストをつけてあります

細かい仕上げはお任せで
持ち手付け根のステッチラインは
シンプルな仕上げを好まれるオーナー様用に
あえて四角ではなく

ストレートなラインを平行に2本入れる仕上げにしてみました

内側はこんな感じ
元々見えない部分だった面ですが
内側なら気にならず使えるということで
内張は作らずそのままの状態です

取り外した内張をトートバックにアレンジ 16500円(税込価格)
作業期間 2週間
*今回は1か月半お待ちいただきました
持ち手にも天口周りのパーツにも芯を入れてあるので
張りも出ているし丈夫に仕上がっていますが

軽くて薄い豚革の内張なし仕上げ
ということもあって
折りたたんで持ち運べるような鞄になっているため
旅行時などの簡易バックとしても使えそうで

何かと重宝されるのではと思います



オーナー様にも喜んでいただけましたが
ひねりてにとっても
まだ使えるものを、費用をかけてでも
無駄なく使い切ろうとされる姿勢に共感出来て

とても嬉しいご依頼となりました

2024年12月14日
革ジャンの袖を袖中央からカット
こんにちは
本日ご紹介の商品です



ディーゼル、ライダースデザインの革ジャンです
しなやかな羊革で着心地良さそうな一品ですが
オーナー様には袖が長すぎる

で、今回はデザインのことなどを考慮して
袖中央からカットすることにしました


肘内側あたりにある継ぎ目位置から

上下に4,25㎝ずつ
合計9.5㎝をカットします


では仕上がりです



いかがでしょう?
9.5㎝も切ったらパッと見で違い分かるかと思いますが

一応比べてみましょうね

before after


羊革はデリケートで強度の低い素材ですので

着用による動きで引っ張られて
縫製部のステッチ穴から裂けてくることも良くある症状です

今回のカット部分は良く動く肘がある位置

出来るだけ強度が上がるよう

カット縫製部分の革には
芯材を貼って補強したうえで縫い合わせてあります

裏地は重なりでごわつくことがないよう
表の位置から少しずらしてつまみ
表のサイズに合わせて縫い留めてあります
迷いましたが裏地はあえてカットせず

あとで修正可能な状態に仕上げました

革ジャン袖カット(袖中央から)9.5㎝ 32450円(税込価格)
作業期間 約2か月
受付時の予定では
元々肘の内側にあった継ぎ目のように
ただ縫い割るだけの縫製にしようと思っていましたが
強度や見た目が気になったため

裏で縫いしろを折り返して
表からもステッチを入れて縫い留める仕上げにしました

完成してみると、やはり全体の雰囲気にもなじんで
いい感じに仕上がったと思います

オーナー様にも喜んでいただきほっと一安心です

2024年11月09日
形見のハンドバックを再生(後編)
こんにちは
早速ですが前回の続きです
まずは仕上がりご覧ください

前の正方形パッチワーク部分
後ポケット
内張と天口のファスナー付きマチ
だけ残し
あとはすべて新しい革で作成交換しました

底にあった紙の底板は劣化で朽ち始めていたので
新しく樹脂素材で作り直しています



全体に巻いてある革レースですが
市販のものは使わず

持ち手等に使った革と同じ革から切り出して作成してますので
全体的にうまく馴染む仕上がりに出来ました

これが今回のひねりて最大のチャレンジで



まず革レースを作る道具を仕入れるところから始め
何度か練習と試作を重ねたうえで本番に挑む
というチャレンジをいたしました

あとは元のパーツの穴は変形していたり
不規則な間隔であいていたため
不規則な間隔であいていたため
そこに合わせるよう調整するのに結構頭を悩ませつつ
頑張りましたがうまく辻褄合わせられて良かったです



表
裏
持ち手付け根の三角のパーツは
受付時はオリジナルの方を使う予定にしていましたが
いざ分解してみると、思っていたより劣化していたので
新しく作り替えることにしました

これは、分解してみて気づいたことですが

表から見てこげ茶色と思っていた糸が
隠れている部分は生成り色になっていてびっくり



日焼けで変わったとは思えない変化なので
仕上げた後で全体を染めたのかなぁ?と想像してますが
実際のところは分かりません



イビザハンドバック
本体革劣化部分すべて交換
底板交換
全体メンテナンス 99000円(税込価格)
作業期間 3か月
今回、お母様の形見ということで
出来るだけオリジナルのパーツを残しつつ
長くご愛用できるよう努めてみました

オーナー様には喜んでいただけてほっとしていますが
今後お母様が育てた革と
オーナー様がこれから育てていかれる革が
どのように馴染んでいってくれるか楽しんでほしいなと思います

2024年11月02日
形見のハンドバックを再生(前編)
こんにちは
昨日から全国的に天候が荒れているようですが
みなさまご無事にお過ごしでしょうか?
今の広島は朝の大雨から一転
気持ちの良い青空に雲がぷかぷか良いお天気です

明日は三連休の真ん中でお天気ということなので
外出される方も多いでしょうねぇ

さて、本題に行きましょう
本日ご紹介の商品です

イビザの手提げかばん


全体に乾燥してあちこちひび割れてきていて

ずいぶん弱ってしまっています


マチの底の方は破れてきていました


持ち込まれた方が小学校の頃に亡くなられたお母様の
形見の鞄

ということで、使いたいけど劣化がひどく
使えないままずっとしまい込んでいたということでした

今のオーナー様的には
全て作り変えてもらっても・・・ということでしたが
せっかくお母様から譲り受けたものだし

多少でも費用を抑えるために



オリジナルのパーツを残せる状態のものは残しつつ
半分以上は作り替えという内容で進めることになりました

持ち手と付け根の三角パーツは
すべて新しく作り替えて交換

正方形のパッチワーク部分は残します





で、分解した様子がこちらです


毎度のことですが、この状態の時が
一番不安な気持ちでいっぱいなタイミングなのです

さてはてどうなる事やら・・・

続きはまた次回ご紹介いたします
